情報化社会になった今、日々デジタルデバイスと向き合う事で脳疲労が蓄積している人が多くなっています。便利になった反面、体に与える影響は大きいのです。
コンディションに影響?脳疲労を回復させる3つの方法
皆様は毎日脳疲労に陥ってはいませんか?長時間のPC作業、帰路ではスマホを使い、就寝前にもスマホを眺める。リラックスしたと思ったらメール通知に気づき、また脳が動き出す。
脳疲労の代表的症状は「深い眠りにつけない事」です。当てはまる方はいるのではないでしょうか。その他にも頭がぼんやりしたり、集中力が続かないなど人によって症状の差はあるにせよ脳が疲れていることには変わりありません。
この状態で日々を過ごしていても、パフォーマンスは落ちるだけです。今回の記事ではそんな現代人が陥りがちな脳疲労とその回復方法について解説していきたいと思います。
脳疲労とは?そのメカニズムを知ろう
まず、脳疲労とは読んで字の如く脳が疲れてしまうことですが、筋肉と同じように脳も毎日活動を続けると疲労してしまいます。
筋トレにおいては筋肉痛時に休むようにアドバイスを受けますが、脳に関しては疾病以外に痛みを感じる事はないため、どれくらい自分が疲れているのかの判断ができません。しかし疲労が蓄積してくると全身のだるさや倦怠感、集中力や記憶力が低下してきます。
脳は様々な働きがあり、まず私たちの生命維持としての呼吸器、循環器、自律神経の調整。そして今回のポイントとなる言語や理論を司る大脳新皮質と感情を司る大脳辺縁系です。
脳疲労は主にこの大脳新皮質と大脳辺縁系のバランスが崩れた時に発症します。例えば朝起きた時に「疲れているから休みたい」という大脳辺縁系の働きに対して、でも今日はタスクが残っているから休めない。と判断し行動する事でバランスが崩れてしまいます。
代償として暴飲暴食に走ったり、散財したり、更には自律神経が乱れて精神的症状を発症する事にも繋がります。気持ちが落ち着いている時には理性が働いても、疲労が蓄積されると様々なリスクが潜んでいる事を覚えておきましょう。
日常生活における脳疲労のリスクとは?
脳疲労が続くとどのような体の変化が起きるのか?そのリスクを見ておきましょう。
①肥満になる
脳疲労が続くと理性が効かなくなり暴飲暴食から肥満になる可能性があります。特に忙しいビジネスパーソンは食事の時間も不規則で、手軽に食べられるコンビニやファーストフードを食べがち。
時短という意味では理に適っているとは思いますが、そもそも食事の時間も確保できないくらい忙しいこと自体が脳疲労の原因となるケースは多いのです。
そして暴飲暴食は負のスパイラルを誘発します。ついつい食べてはいけないと思いながら食べる、つまり自己嫌悪に陥る可能性が高く自律神経系に問題が生じることもあります。
当然ダメだと分かりながら実行する事は気持ち良い行動ではありません。暴飲暴食は生活習慣病へと進行し高血圧、高脂血症、動脈硬化と仕事を成果を出す以前の問題になります。いかに脳疲労させないかがコンディショニングを作る上で重要だと分かりますよね。
②肩こりや腰痛の原因にもなる
脳疲労の原因として大脳新皮質と大脳辺縁系のバランスが崩れる事だと前述しましたが、その手前の行動としてデジタルデバイスによる眼精疲労も脳疲労を作り出す原因です。
肩こりは主に眼精疲労による僧帽筋(首の筋肉)の硬直からなる血流の悪循環及び老廃物の蓄積があります。よく首のストレッチをすると肩こりが解消されると言われるのはこのロジックです。
腰痛に関しては原因の8割が不明と言われています。男性に多い傾向にありますが、脳疲労によって自律神経系のバランスが崩れるため血流量の不循環に陥り誘発することも考えられます。
間違えてはいけないのは腰痛だからといってマッサージを受けて改善されない場合、根本原因が脳疲労にあるからです。肩こりも同様の事が言えますが、根本原因を解決しない限り何も改善されない事を覚えておいてください。
③何事も続かなくなる
仕事の成果を出す上で重要なのは、継続して探求し続ける事ですが、脳疲労が起こると飽きやすくなると言われています。逆に言えば飽きがくるのは休みたいサインとも捉えることができます。
風邪で熱が高くなるのは、身体がウイルスと闘うことによる防衛反射ですから、脳疲労時も同様に体の声に耳を傾けるようにしましょう。結果が出ないのは自分のスキルや経験不足以前に、コンディションが悪いことも考えられます。
現代人の多くはメンテナンスをせずにひたすら走り続けている車のようなものです。知らないうちにガソリンが漏れている、タイヤの空気が抜けている、エンジンオイルを交換していない。など走れば走るほど性能が落ちてくるのと同じです。
走り続けるのも時間の問題ですよね。定期的にメンテナンスをし休息をとりましょう。
脳疲労を回復させる方法
①疲れたと感じたら15分休む
仕事に追われて休む間もないと感じている人は多いと思います。しかしそのままでは現状は変わらず脳にダメージを与えるだけ。
今日から積極的に休む時間を確保していきましょう。休む事は悪ではなく、生産性を高めるための手段に過ぎません。
仕事で成果を出すには休息は絶対的に必要になります。日本人の多くはどれだけ根気強く頑張ったか?を判断指標と捉えるケースが多いです。
これは日本の教育に問題があるのですが、頑張ったかどうかは数値化できないため、数値化できる結果にコミットするべきですし、それが仕事の成果だと思います。
まずは90分に1回15分の休憩をとるようにしましょう。人によって体質は違うため90分はあくまで目安です。本質は自分の体と対話する中でこまめな休憩を積極的にとることです。
②運動を取り入れ睡眠の質を高める
この記事を読んでいるあなたには運動習慣はありますか?余談ですが体重や体脂肪を図る体組成計に表示されるアスリートと一般の違いをご存知でしょうか。アスリートとは1週間に15時間以上運動に費やす人の事言います。
週5日運動するとして1日3時間の計算ですね。それ以外は一般人として扱われますが、運動は脳にとって最高の栄養です。
例えば不眠の原因は脳疲労と体疲労とのバランスが崩れているために発生します。1日中座って仕事をしていると脳は疲労しますが、筋肉や心肺機能は疲労しません。
つまり体は疲労していないのに脳だけが疲労しているアンバランスな状態とも言えます。定期的な運動を取り入れる事は体疲労を促進し、脳疲労との調和へと繋がり睡眠の質が向上します。
疲れているから運動はしたくない。この言葉の真相は脳疲労による疲れであって実際体は疲れていません。一見逆説的にも思えますが、疲れたと感じた時こそ運動をしましょう。
おすすめは有酸素運動ですが、ポイントとして仕事の合間ではなく自宅に帰りウェアに着替えて行う方が効果的です。ながら運動よりも、運動のために時間を使っているという意識が効果を高めるのです。
③寝る前に10分眼を温める
脳疲労と眼精疲労は密接な関係があります。寝る前に10分間蒸しタオルを当ててみましょう。蒸しタオルが面倒に感じる方は温かいアイマスクなどの商品を活用してみてください。
眼を温めることによる視神経の緊張緩和や副交感神経優位によるリラックス効果によって良質な睡眠をとることができます。もう少し手間を加えるとしたら首も同時に温めましょう。
可能な方はここまで紹介した3つのことを合わせて行ってみてください。きっとこれまで以上に自分自身のパフォーマンスアップを感じることでしょう。