Keller Williams が誕生した背景と歴史を知る


創業者であるGary Kellerは大学卒業後にテキサス州オースティンで不動産会社に就職し、新人部門において年間個人仲介手数料売上2位を獲得。その2年後には会社の副社長に就任し更に2年後Joe Williamsと共に現在のKeller Williamsを創業しました。

Gary Kellerは退職時に勤めていた不動産会社の社長にこう言ったそうです。「あなたはエージェントは会社のために働くと考えているかもしれないが、私は経営者としてエージェントのために働きます。」つまりGary Kellerはこの会社での経験を通じて、エージェントが満足してこそ会社は成長することを理解したのです。そして設立した会社は2年後オースティンにおいて最大の不動産企業へと成長したのです。
 
Gary Kellerは日々考えていたことがあります。「従業員が辞めたくないと思う会社を作るにはどうしたらいいのか?」答えを導くために当時所属していた13人のトップエージェントの意見に精一杯耳を傾けたのです。その結果、現在Keller Williamsが取り入れている「W14C2TS」「ALC(エージェント協議会)」「決算の開示」「グロースシェア」システムなどが考案されました。

その後もKeller Williamsは進化を続け、Keller Williams Universityの設立や不動産イノベーション企業としてメディアからも注目を浴び、2013年には世界最大の不動産エージェント数を誇る企業に成長しました。現在では世界50カ国、約16.8万人のエージェントがKWで働いています。

なぜKeller Williamsは世界最大の不動産仲介企業に成長したのか?

2020年6月のデータによるとKeller Williamsには世界に50カ国、約16.8万人のエージェントが所属しています。ここまで成長した秘訣は何でしょう?ポイントは3つあります。

1つ目、Keller Williamsのコミュニティによる会社とエージェントの相互依存的な関係の構築

2つ目、不動産取引を円滑にするための独自のシステムとトレーニングの充実

3つ目、エージェントが一番稼げる報酬形態システムを導入していること

そして、この物語の全てはGary Keller自身の問いから始まったのです。Gary Kellerは「どうしたらトップエージェントが辞めない会社を作ることができるのか?」ここに焦点を当てて考え抜いた結果、1つの答えが出ました。それはエージェントの利益を最優先に考え、その次に会社の利益を考えるビジネスモデルを構築することでした。

つまり、従来の一般的な会社とは真逆の方針を取りました。Keller Williamsの仲介手数料はエージェントに60%入る仕組みとなっています。残りの30%は所属する加盟店へ、残りの10%は本部へと入ります。更に本部に入る10%のうち、2%は自動的にエージェントのためにストックされ、後にエージェントに再分配されるシステムになっています。

なぜこのような分配システムが生まれたのか?Keller Williamsのエージェントは個人事業主が基本のため退職金がありません。そのため仲介手数料収入とは別に、再分配によって第2の収入を得ることが出来るシステムを考えたのです。つまりエージェント自身が現役で活動しながら、将来設計の苦労をせずに済むよう導入されたシステムなのです。これを「グロースシェア」と呼びます。グロースシェアシステムについては、実際のオリエンテーション説明会にて詳しく解説します。

2つ目にKeller Williamsには、エージェントが取引を円滑に進めていくためのテクノロジーが豊富に用意されていますGoogle drive、販売取引システム(KW front door)、顧客管理システム(KW control panel)主にこの3つで構成されており「Google drive」は日常の電話やメール、資料の保管に役立ちます。

「販売取引システム」は目標の仲介手数料売上を設定した後、定期的に実績管理をしていくことができ、「顧客管理システム」は顧客の希望物件の把握、属性や趣味などの情報管理や、アラート機能により適時連絡漏れを防ぐなど、見込み客獲得のためのマーケティングが出来るようになっています。

それぞれの機能はトレーニングにて詳しく解説しますが、大きな目的としてケラーエージェントは取引に集中できる環境が整っているということです。自ら不動産会社を設立し「0」からスタートすることに比べて、大きくリードした状態で始めることが出来るといえます。

最後にKeller Williamsは世界と繋がっていることをここでお知らせします。Keller Williamsでは、毎年2回、大きなフェスティバルがアメリカで開催されています。そこには全世界のKWエージェントが1万人超という規模で集結し、トップエージェントの考え方に触れることが出来るのです。業績は全て公開され、何をどのようなプロセスで結果を出してきたのか?全てをオープンに話してくれます。

全世界のエージェントがそれぞれの国の情報を交換し励まし合い、協力体制を築く。これはKeller Williamsの文化であり、独自のコミュニティでもあるのです。エージェントはフルコミッションの個人事業主であり、完全成果主義の働き方は孤独な戦いに見えるかもしれませんが、Keller Williamsには他社には無い、多くの仲間と支え合いながら成果を出していく文化があります。仕事で結果を出すのは当然のこと、それ以上に同じ志を持った仲間と共存する相互依存的な関係がKeller Williamsにはあります。

これら3つのポイントはケラー独自のシステム、文化によって形成されています。当然のことながら一朝一夕に出来たものではありませんが、「ケラーに関わる全ての人たちが幸せで快適な人生を送れるように」とのGary Kellerの強い想いから始まった一つの物語なのです。会社と共存し、仲間の協力を得て、成功を称え合う文化がここにはあります。

なぜ今日本にKeller Williamsが進出したのか?

Keller Williamsが正式に日本に進出したのは2019年の8月でした。記念すべき加盟店第1号店は東京の真ん中に位置する港区六本木です。なぜこのタイミングで進出したのか?これには明確な理由があります。

Keller Williams Japanの代表取締役山本マークは、日本にシネコンを拡めた人物として知られています。現在では当たり前となった複合スクリーンを持つ映画館「シネマコンプレックス」に、ポップコーン、インターネット販売システム、プレミアムシートを導入したのが山本マーク。自叙伝「ポップコーンはいかがですか?」にはシネコンを成功させるための壮絶なドラマが描かれています。

そんな山本マークは「大きな夢を描いて突き進む」を絵に描いたような人。「夢さえあればなんでもできる!」と、まるでアメリカンドリームを日本で実現するスケールで日々を過ごしているのです。そんな山本マークが日本にKeller Williamsを進出させたのには2つの大きな狙いがありました。

1つ目は日本の不動産業の文化に革新をもたらすこと

2つ目にケラーに関わる全ての人が成長していくこと

日本の不動産業は戦後、経済復興期には【周旋屋(しゅうせんや)】と呼ばれた時期もあり、土地・家屋の売買、人の雇用などを周旋する職業としても存在しました。そのような混乱期には、不動産にまつわるトラブルも少なくなく、またバブル期には地上げ屋等がメディアに取り上げられるなど、なんとなく不動産業に対するイメージが良くないと感じている方もいらっしゃるかと思います。

現在も、営業スタイルがゴリゴリ、顧客よりも売上重視とした印象が残っているのが現状ではないでしょうか。そんな日本の不動産業界を変えたい。ケラーモデルであれば日本の不動産業界を良いイメージへ変えることが出来ると山本マークは確信しました。

2つ目の「ケラーに関わる全ての人が成長するモデル」。Keller Williamsのエージェントになる場合、ただ単に「業務委託契約を交わす」だけではありません。一般的な「業務委託契約」においてはエージェント自身が自力で結果を出すことが当たり前とされますが、ケラーはそのプロセスにおいて重要視されるマインドセットや、コンディショニングに至るまでトレーニング化されています。

日本人の不動産エージェント一人一人が自分の人生に自信と誇りを持ってもらいたい。「Keller Williamsは不動産仲介業を通して人格を磨く」つまり人格を磨く環境が重要であって、それがたまたま不動産業であったということです。言い換えればケラーで学んだマインドセット、コンディショニングはどの業種でも通用する人材を確立することが出来るという考えです。

日本文化は協調性を重んじて「和」を大切にしてきました。それも大切な要素ですが、時代は変化し、現代は多くの問題を抱えています。自分の身は自分で守る。企業に頼らず自分自身で人生を切り開いていくことも重要です。

このタイミングでKeller Williams が日本に進出したのは、そんな日本の情勢に頭を抱える人たちを増やさないこと、まずは第一歩を踏み出し小さな成功体験を通して自分を改革し推進して行って欲しい。そのための手段としてKeller Williamsを活用して欲しい。このような想いを込めて今、このタイミングで日本に進出したのです。

← 一覧へ戻る